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Dare not Say, Just feel itself as nature   -JEANPAULKNOTT-

Dare not Say, Just feel itself as nature -JEANPAULKNOTT-

 

「理性は肉体を後始末する為にある。」 

 

 

三島由紀夫がかつて自身の生涯を通じて反映し続けた姿勢の表現。

 

それは衝動や感情をそのままとして捉え、理性で蓋をする事無く情緒的に消化せよ。という考えである。

 

2025年6月30日午後19時。

 

パリの夏は日が長い。

 

太陽が情熱を祝福し、人々もその熱気とエモーションを受け入れているように見える。

 

ルーブル美術館から徒歩数分の空中階に構える「Milk Magazine」のアトリエを借し切ったShowroom。

 

赤色のドレープの効いたカーペットが入り口に待ち構え、まさに映画で見たような華やかな造形物に花が生けられている花瓶の数々。


 

ピアノ線が張り巡らされ、空中に服が浮いている。床には表現物が平面物として置かれており、同時に多数のトルソーに囲まれながら廊下を歩くと

 

Jean Paul Knottはそこに居た。

 

背丈は195cmぐらいだろうか。

 

大きな背丈ながら、話す速度はかなりゆっくりで大きな手を広げ、言葉の表現と共に手を動かしながら話す、緊張を解くように歓迎を祝福してくれているようである。

 

早速ながら軽く自己紹介を済ませると軽く談笑が始まり、そこから服を見るというスムーズな流れだった。

 

彼の作る洋服ははっきり言って一目ハンガーラックに釣られている様を伺うと

面白みの無い方の洋服に近い。

 

それぞれの色に分けられて、ある程度ランダムに洋服が連なっている。

単色なだけに目を凝らして見ないと違いがわからない洋服もあった。

 

自由にショールーム内を歩き回り、様々な洋服を漁っていると

ただ日本人だからなのか、黒のあるジャケットに惹かれた。

 

ふと左背中を見ると、

 

Jean Paulがそこに居た。

 

手の指を大きく広げてこちらの緊張を解くように

 

「Do you want to try?」

 

彼がそう言った。

 

一度空気に身体を預けて見る事にした。

 

なんの変哲もないジャケットである。少し短丈でショールカラーのようなサテンのような光沢でドレープが自然に掛かるだけのジャケット、、、

 

ただ心に従い、空気に身を任せ、袖を通した瞬間、身体に電撃が走った。


彼の歩んできた歴史、人生、服への向き合い、葛藤、素材の着心地の良さ、

 

それまでコンセプチュアルな洋装に惹かれていた自分であるが、天と地がひっくり返ったような、

 

左脳という審査機関などそのまますり抜けて右脳に直接刺してくるような感覚。

 

ここまで美しい洋服が存在している事実と、

 

半年前に見たポンピドゥセンターのシュルレアリスムの展示で

かつて謳われていたオートマティズムの意識に訴えてくるような感覚に襲われた。

 

 

 

この服が存在している違和感。

 

パリや東京の市場では新たなギミックや、開発生地、新たなスタイリング、アーカイブから着想を得たサンプリング、

クラフトにこだわったブランド、SDGsを意識しているブランド、インフルエンサーを囲むブランドなどが蔓延る中、

 

彼はこのミニマルな洋服を何十年と作り続けていたというのだ。

 

しかも彼はエレガンスの市場からは降りない。あくまでモードの洋装を保ったまま市場との向き合いも続けている。

 

エレガンスであり、ミニマルであり、と同時にリラックスしている。

 

男性的な強さや余裕も感じながらも、女性的な美しさが同居したような、

(彼の洋服はユニセックスである)

 

 

 

胸は張っているけど、肩の力は抜けているというか。

 

人が緊張と緩和にいる状態、ゾーンに入りやすい心地の良い状態をキープしているとも言える。

 

 

 

さらに余談だが、CETTENで取り扱い続けている「SASAKI SATORU」のデザイナー佐々木悟氏も

彼の元で働いていたというのだ。

 

 

佐々木氏が作る洋装はミニマリズムや、論理の先の直感であったり、

最後に行き着くピュアな形と彼のそのリズムとテンポを感じる。

 

本質的に彼の洋装は力強い男性と女性の美しさを強調し、日々挑戦や自身と向き合う人にとっては

 

真に着用者の事を考えた洋服であると言えるかもしれない。

 

実は半年間、言葉に出来なかった言葉を今、AWの展示会を終えたタイミングで言葉にし始めたタイミングである。

 

それまではスタッフ達にも表現のしようがなかった。

 

“ただ「良い」としか。“

 

理性的に捉えた物を感情で行うのではなく、感情で感じた物を後で論理や理性に当てはめる行為。

 

この体験と彼がもたらしてくれた事。

 

かつて三島由紀夫が感じたエモーショナルな感覚は、

 

時代を作る人達が感じている、論理を超えた境地に達する為のヒントなのかもしれない。

 

今季2026ssからの取り扱いです。引き続き詳細はデリバリーまでお待ちください。

 

荒井祥太

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